「こだわりの厳選素材を使用」
「職人のこだわりが詰まった一品」
「農家のこだわりが生んだ奇跡の果物」
…「こだわり」という表現、よく見ますね。
私の記憶では、昔は「こだわり」をむしろネガティブな意味で使っていたように思います。
「ウチの子供は色にこだわりがあって、赤い服しか着ない」
といったように。
ところが上記のように、ポジティブに使われるようになりました。
理由はわかりませんが、つまるところは「お手軽に使えるから」ではないでしょうか。
「こだわりの~」と言っておけば、何か選びぬいたような、よいイメージがつくような気がするからです。
しかし裏を返せば、こだわりの~という表現は、何も言っていないのと同じです。
上記の例について、「じゃあ具体的にどういいの?」と聞かれたら答えられますか?
「えーっと、と、とにかくこだわったんだよ」
としか言いようがありません。
本当にこだわったのなら、「どのように」こだわっているのかを言えるはずです。
たとえば「仕入れの3割は基準に見合わず廃棄しています!」とか「10年以上の経験がある職人しか火の調節が許されていません!」といったように。
ただの「こだわりの~」という表現はただ「言ったつもり」になっただけです。
私はこのような言葉を「つもり語」と呼んでいます。
参照:私の書籍「あっ、欲しい!」のつくり方 でも詳しく紹介しています。
https://www.amazon.co.jp/dp/4532320143
他のつもり語は「ちゃんと片付けろ!」の「ちゃんと」もそうですね。
こだわり、ちゃんと、のような「つもり語」で伝えた気分になってしまっていないか、気をつけてみてはいかがでしょうか。
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