【新規事業×高価格×地方018】新規事業は「わからない」の連続。では、どうする?

新規事業は未知の要素だらけで当然です

新規事業に関わっていると、判断に迷う場面があって当たり前です。

  • 市場調査をしても確信が持てない…
  • 数字を集めても、なんとなくしっくりこない…

こうした状態に陥ると、「準備が不足しているのでは」「もっと調査すればよいのでは」もしくは「誰かが決めてくれ」などといつまで経っても前に進みません。

新規事業は、最初から未知の要素だらけです。
見えていないことが多い状態で進むのが当然です。

それに対してどのようにすればよいか、そのはじめの一歩をこのコラムでは解説します。

確信が持てない状況をどうするか

たとえば、新しいBtoB向けサービスを立ち上げる状況を想像してください。

  • 顧客候補にはヒアリングをした、
    課題もそれなりに聞けた、
    ただし、いざ「誰がどのタイミングでお金を払うのか」と問われると、答えが曖昧になる…
  • 現場担当者は興味を示している、
    しかし決裁者が本当にOKをしてくれるのかは未知…
  • 価格については「安ければ使う」と言われる、
    だが安いとはいくらなのかは分からない…

新規事業では、このような「輪郭はなんとなくわかるが、確信は持てない」状態になるのが当たり前です。

進めれば進めるほど「わからない」が増えてくる

別の例を挙げます。

新しいプロダクトを開発しようとしたとき、技術的には実現可能だと分かった。
ところが、実際に提供する段階になると、オペレーション負荷が想定以上に大きいことが判明する。

  • 問い合わせ対応は誰がやるのか…
  • 障害が起きたとき、どこまでサポートするのか…

こういった疑問は、最初の企画段階ではなかなか見えません。

私も経験がありますが、新規事業では
「ひとつ問題をクリアすると、次にクリアするべきことがふたつ増える」
といった状況になることがあります。
いわばやればやるほどわからないことが増えるのです。

ここで「事前の想定が甘かった」と反省することもあるでしょう。
運用の不確実さが後から判明するのは、新規事業ではよくあることです。

ここで、不確実性が高まるのは、「計画の失敗」や「準備の不足」ではありません。
未知が多い領域に踏み込んでいるのですから、当然のことです。

未知の要素はある前提で

新規事業を進める際に重要なのは、
「未知の要素を排除しよう」「変数があるのはよくないことだ」とはしない
ことです。

たとえば、新規事業を推進するにあたり、社内から次のような声が出ることがあります。

  • まだ顧客像が固まっていない
  • 市場規模が正確に出せていない
  • 競合の動きが読めない

これらは確かに不安要素です。
しかし、新規事業の初期段階で完全に分かることの方が少ないでしょう。

未知の要素や変数があること自体を問題視すると、事業はいつまでもスタートできません。

「しょうがない」で止めないための具体的な工夫

とはいえ、未知の要素が多いからといって、わからなくてもしょうがない、とただ放置するわけにはいきません。
ここで有効なのが、わからないことを一つの塊として扱わないという考え方です。

たとえば、「顧客が分からない」という言葉の中には、複数の不確実性が混じっていると考えられます。

  • 誰が使うのか分からない
  • 誰が決裁するのか分からない
  • どの業種に刺さるのか分からない

これらをごちゃまぜにすると、何も判断できなくなります。
しかし、分けて考えれば話は変わります。

  • まずは現場担当者に使ってもらえるかを確かめる
  • 決裁プロセスについての検討は後で行う
  • 業種は一つに絞って試す

こうして変数を分解すると、今やるべきことが具体的になります。

実際に、私も新規事業を支援する中で、
「当初に想定した顧客と実際に買い求める顧客が全然違った」
なんてことはよくあります。

「わからないから何もしない(できない)」が最悪のパターンです。

わからない状況を少しずつ解決していく

もう一つ例を挙げます。

価格設定が分からないという悩みもよくあります。
適正価格について議論を続けると、正解があるわけではないので、話は堂々巡りになります。

この場合、最初から最適な価格を決めようとする必要はありません。たとえば、

  • 仮の価格帯を三つほど用意し、実際に反応を見る
  • 価格に対する質問が多いのか、機能に対する質問が多いのかを見る

こうした小さな検証によって、適正価格が具体的になっていきます。
完全には分からないものこそ、分けて試すことが大切です。

新規事業は、不確実性と共存しながら進める

新規事業を進めていると、不確実な状態を嫌がる声が必ず出てきます。

  • もっと確度を上げてから…
  • 数字が固まってから…
  • リスクがなくなってから…

しかし、その状態を待っていると、事業は永遠に動き出しません。
新規事業とは、不確実性が残ったまま次の一手を打つ、その連続です。

新規事業の未知の要素を「絶対に乗り越えるべき課題」としてとらえるのではなく、

  • 未知の要素や変数は、あることが前提で考える。
  • そして、変数を分け、扱える形に解きほぐす。

そうすることによって、新規事業の「わからないから進めない」が「わからないなりになんとか進む」へと変わっていきます。

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