【新規事業×高価格×地方024】選ばれるには「ファン化」よりも「習慣化」

「当たり前」こそ最強
「お客様に好きになってもらう」
「お客様にファンになってもらう」
…こんなことが大事だ、とよく言われます。
なんとなくいい響きですが、これらはそう簡単ではなく、現実的ではありません。
売上を安定させるコツはこのような「顧客のファン化」よりもむしろ、「生活に入り込む」ことです。
お客様に愛されよう!と必死になる前に、いかに「無意識のルーティン」に入り込めるか、が重要です。
私が以前、ある小さなカフェをお手伝いしていたとき、それを痛感しました。
コーヒー豆のこだわりを伝える、SNSで映える写真を上げる…などに取り組んだのですが、あまり成果が出ません。
その店の売上に貢献していたのは「出勤ルートのついでに寄る」という理由だけで毎日来るお客様でした。
それらのお客様の離脱を防ぎ、購入頻度を高めてもらうことが、最大の売上対策になりました。
「味がすごく良いから」ではなく「ここにあるのが当たり前だから」選ばれる…のような、「習慣」を味方につけることができると有効です。
習慣化を促す3パターン
お客様の「習慣」を味方にするためのポイントは、大きく分けて次の3つです。
A:全体のパターン・傾向を見る
【例】「雨の日の午後」や「週明けの月曜」に絞った定番を作る
「月曜の朝はみんな体が重そうだ」とか「雨の日は店内でゆっくりしたい人が多い」のような、状況ごとの共通の動きに注目します。
「月曜朝のシャキッとセット」のように、多くの人に該当するパターンに合わせたメニューを固定化します。
B:意思決定をせずに済む「自動化」を狙う
【例】「いつもの」で通じるサブスクや回数券、セット販売を用意する
「今日はどれにしようか」と悩むこと自体が負担、という人はけっこう多いものです。
「いつものコーヒー+厚切りトースト」をセット価格で固定したり、回数券を発行したりします。
「とりあえずあそこに行けばいい」という、思考が不要な状態をつくります。
C:生活の「区切り」が切り替わる瞬間にそっと差し出す
【例】「仕事モードへの切り替え」や「幼稚園の送り出し後」など、場面ごとに対応する
一日の中にある、小さい区切りを狙います。
たとえば「幼稚園に子供を送った直後の保護者」へ向けて、一息つくための専用セットを提案する、などです。
「◯◯が終わった瞬間の1杯」という文脈をこちらから提示し、新しい習慣を提案します。
価格競争や「ファン化」競争から抜け出すためのアイデアとして、参考にしてみてください。
習慣は強化される
習慣は「いったん習慣になると、さらにその方向に加速する」という性質があります。
たまたま2、3回続けて選ばれただけで、その行動(商品)は一番手となり、いつの間にか不動の定番へと昇格します。
大手ブランドが強いのは、資本力があるから、だけではありません。
すでに多くの人の「習慣」の中に深く根づいているため、多少の値上げや不祥事程度では顧客が離れないのです。
では、資源の限られた私たちはどうすればよいのでしょうか。
それは真っ向勝負を避け、習慣の空白地帯、特に「つなぎ目」を狙うのです。
狙いは生活の「つなぎ目」
習慣ががっちり固まっている市場でも、必ず「習慣が変わる」瞬間があります。
代表例が、引っ越し、転職、結婚、生活の習慣やリズムが変わるタイミングです。
例えば、ある小さなパン店は、夕方の特定の時間だけ「おつまみパン」を販売しています。
パンといえば「軽食」や「明日の朝食」ですが、「帰宅後の晩酌のお供」という生活内の文脈に滑り込ませた、と言えます。
朝食という激戦区を避けて、習慣がさほど固定されていない「帰宅後のリラックスタイム」という隙間を突いているのです。
日常のシーンと結びつける
「好きになってもらう」「ファン化する」努力も大切です。
しかし、それよりも「特定の場面で思い出してもらう」「習慣で、考えることすらなく買ってもらう」仕組みを作る方が、はるかに効率的で、かつ安定した売上の土台になります。
あなたのビジネスは今、お客様のどんな「日常のシーン」と結びついているでしょうか。
「選ばれる理由」「ウチにしかない強み」を作るよりも、「習慣で買ってもらう」ことに注目してはいかがでしょうか。
売上の大半を構成している、「習慣の繰り返し」にぜひ目を向けてみてください。
そこから新たな取り組みが思い浮かぶかもしれません。


