
「ロジックツリー」をご存知でしょうか。
ロジックツリーという言葉を聞くと、
「コンサルっぽい」「頭のいい人が使うもの」
という印象を持つ人も多いかもしれません。
ロジックツリーは、決してコンサルタント専用の特別なスキルではありません。
思考を迷子にしないための、わかりやすい地図のようなものです。
複雑な問題を前にしたとき、
「何から考えればいいかわからない」
「全部重要に見えてしまう」
といった状態から抜け出すための、実用的なツールです。
ロジックツリーの基本的な役割
ロジックツリーは、ひとつの問いを起点にして、要素を分解し、構造として整理していく考え方です。
売上が伸びない、顧客が定着しない、業務が円滑に回らない……
こうした曖昧で大きな問題も、分解していくことにより、「どこに手を打つべきか」が見えるようになります。
考えを「構造」とすることにより、ゴチャゴチャ・モヤモヤがスッキリと整理されることがメリットです。
ロジックツリーの基本プロセス
1. 「問い」を定める
まずは、何を解決したいのか、何を知りたいのかという目的をシンプルな言葉にします、
2. 大きな枠組みで切り分ける
次に、その問いを構成する要素を、重複や漏れがないように大きく分類します。
たとえば、顧客を「新規」と「既存」に分ける、などです。
3. 具体的なアクションまで深掘りする
それぞれの要素に対して「なぜ?」「具体的には?」と問いかけ、さらに分解を繰り返します。
階層が深くなるにつれて、内容はより具体的で実行可能なものになっていきます。
4. 論理の整合性を確認する
最後に、右から左へ、あるいは下から上へ読み返して、論理がつながっているかを確認します。
ロジックツリーが役立つ理由
1. 問題の分解と具体化
巨大で複雑な問題を、解決可能な小さな単位まで分解できます。
何をすべきかが明確になり、アクションしやすくなります。
2. 思考の漏れ・偏りの防止
要素を網羅的に書き出すことで、自分の思い込みや、検討しきれていない領域を客観的に特定できます。
3. 議論の可視化と共有
チームで議論する際、今どの部分について話しているのかを視覚的に共有できます。
認識のズレを防ぎ、議論の効率が上がります。
4. 優先順位の明確化
全体像を把握した上で、どの要素が最も重要か(あるいは影響度が低いか)を判断できるようになります。
資源の集中や、不要な作業の削減に繋がります。
コンビニ等で日常的に考えてみよう
ロジックツリーは、机に向かって勉強するよりも、日常の中で考えてみるとよいでしょう。
たとえば、コンビニに行ったとき、こんな問いを立ててみます。
・なぜ、このような棚割(商品の配置)になっているのか
・なぜ、この新商品を出したのか
・なぜ、同じチェーンでも店舗によって雰囲気が違うのか
ここから、
立地、品揃え、価格、導線、接客、時間帯、客層…
といった要素に分解していくことができます。
正解を出す必要はありません。
「分けて考える」「全体を俯瞰する」こと自体がトレーニングになります。
もちろんコンビニに限らず、飲食店、駅、オフィスビルなど、あらゆる場所やモノがロジックツリーの学びの場となります。
ロジックツリーを使ううえでの注意点
ロジックツリーをきれいに作ること自体がゴールではありません。
実務でよくある失敗は、「整理したこと自体に満足してしまう」です。
本当に大事なのは、以下の通りです。
・分解した要素の中から
・「影響が大きいもの」「今やるべきもの」を選び
・具体的な打ち手につなげること
ロジックツリーは、あくまで思考の整理方法にすぎません。
意思決定と行動に結びつかなければ、意味がありません。
また、完璧なツリーを作ろうとしないことも大切です。
「ロジックツリー作りで悩み、動けない」よりも、多少の抜けや重なりがあっても「考えを進め、実行する」ほうが望ましいです。
他のフレームワークとの関係性
ロジックツリーは、単独で使うというより、他のフレームワークと組み合わせる、もしくは「他のフレームワークの中でロジックツリーを使う」ことが多いものです。
たとえば……
・3C分析
→ 各C(顧客・競合・自社)をさらに分解するためにロジックツリーを使う
・SWOT分析
→ 強み・弱み・機会・脅威を洗い出したあと、どれに注力すべきかを整理する際にロジックツリーが役立つ
・KPI設計
→ 目標達成に必要な要素を分解し、 「何を指標にするか」を考えるときに使える
ロジックツリーは「思考の基礎体力」のようなものです。
どんなフレームワークを使う場合でも、その下支えになります。
ロジックツリーで仕事の質が変わったAさんの話
以下は、私が関与した実例です。
ある企業で働くAさんは、以前は会議や打ち合わせでしばしばこのように言われていました。
「話が散らかっている」
「結局、何が言いたいのかわからない」
本人なりに考えてはいるものの、頭の中で整理しきれず、説明も場当たり的になっていたのです。
そこでAさんは、資料を作る前に、必ずロジックツリーを書くことを習慣にしました。
・この提案や発表の目的は何か
・成果に影響する要素は何か
・今、最優先で手を打つべきなのはどこか
これを紙に書き出してから、資料作成に入るようにしたのです。
すると、説明や資料の内容が簡潔になり、上司からの指摘も減りました。
Aさん自身も、「今までは考えているつもりで、結局はごちゃごちゃしたまま」だった。
それがロジックツリーで「考えが整理されている」状態になり、全然違う!と実感したそうです。
ぜひあなたも日常の中で「分けて考える」習慣を持ってみることで、ロジックツリーを仕事などに役立ててください。



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