
サービスブループリントとは何か
サービスブループリントとは、
サービスが提供される一連の流れを「顧客の体験」と「裏側の業務」まで含め、可視化する「設計図」のようなもの
です。
よく使われるのは、飲食店や美容院、ホテル、ECサイト運営、問い合わせ対応など、「人の手」が関わるサービス業全般です。
表から見える接客の部分だけでなく、
・スタッフが裏で何をしているか
・どんなシステムやルールに基づいているか、支えられているか
までを一枚の図に落とし込みます。
「お客さんからは見えないが、その事業の価値を左右している部分」まで含めて整理します。
※補足※
ブループリントは本来、「(青焼きの)設計図」という意味です。
製造業では、モノをつくる前に設計図があるのが当たり前です。
一方、サービスは形がなく、現場の経験や勘で「なんとなく」行いがちです。
そこで「サービスにも設計図を持ち込もう」という発想で生まれたのがサービスブループリントです。
目的とメリット、なぜ重要なのか
サービスブループリントの効果があるのは、以下のような悩みがあるときです。
・「現場が忙しそうだが、何がボトルネックかわからない」
・「クレームが頻繁に発生、その根本原因が特定できない」
・「接客の質が人によってバラつく」
・「改善したいが、どこから手をつければいいかわからない」
ブループリントを描くと、問題が「人」ではなく「仕組み」の問題となります。
その結果、具体的な改善につながります。
・無駄な作業の削減
・顧客体験の一貫性が向上
・属人化の防止
・新人教育の効率化
といったメリットがあります。
主な構成要素
サービスブループリントは、おおむね以下の要素で構成されます。
・顧客行動
・フロントステージ(顧客に見える接点)
・バックステージ(顧客に見えない業務)
・支援プロセス(システム、マニュアル、他部署の動き方など)
美容院で説明すると、以下のようになります。
●顧客行動:(お客様が)予約する、来店する、ヘアカットやカラーをしてもらう
●フロント:受付対応、カウンセリング、ヘアカット等の施術
●バック:予約管理、カルテ記録、備品準備
●支援:予約システム、教育マニュアル、在庫管理
カスタマージャーニーとの違い
サービスブループリントは、「カスタマージャーニー」と似ています。
※カスタマージャーニーとは……
顧客が商品やサービスを知る→買う→使う→リピートする、の一連の行動や思考・感情の変化を「顧客の旅(ジャーニー)」に見立てる考え方や手法
両者は混同されがちですが、役割が異なります。
カスタマージャーニーは、顧客の気持ちや行動の「変化」に焦点を当てます。
一方、サービスブループリントは、その体験を支える「業務や仕組み」に踏み込みます。
言い換えるなら、
・カスタマージャーニー:顧客の視点
・サービスブループリント:顧客の視点+提供側の視点
実務では、まずカスタマージャーニーを描き、そこからブループリントへと落とし込む、といった流れが多いです。
また、サービスブループリントは、様々な場面で活用できます。
・新サービスの立ち上げ時
・既存サービスの改善
・クレーム分析、対応
・業務の引き継ぎ、マニュアル化
・DXやシステム導入の前段として
「なんとなく回っている」~「どうもうまくいっていない」サービスに用いると、効果があります。
作り方の基本ステップ(簡易)
基本は次の流れです。
- 対象となるサービスを決める
- 顧客の行動を時系列で書き出す
- その行動に対応するフロント業務を書く
- 裏で行われている業務・支援を洗い出す
- 詰まりや不満が起きそうな点を確認する
紙とペン、ホワイトボード等でまずは書いてみるとよいでしょう。
「完璧に描く」ことにこだわらず、「全体を眺め、把握する」ことが重要です。
「見えない」を「見える」化するサービスブループリント
サービスは、形がありません。そのためカイゼンが難しいものです。
特にサービスの質は、表に出ない「仕組み」の部分で多くが決まります。
サービスブループリントを描くことによって、その「見えない」要素を「見える」化します。
改善の第一歩は、「可視化する」ことです。
もし今、サービスの改善を「なんとなく」の感覚で行っているようでしたら、ぜひブループリントを描いてみてください。



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